TOPIC 新野の雪祭り

阿南町新野の雪祭りとは、1265年頃から700年以上続いている国の重要無形民俗文化財に指定されている祭りです。
新野にある伊豆神社および諏訪神社を中心に繰り広げられる田楽系の芸能で、古くは正月神事や田楽祭りなどと呼ばれていましたが、1926年に民俗学者の折口信夫先生がこの祭りを見学し、全国に紹介した際に俗称の一つであった「雪祭り」の名が広まったといわれています。

新野の雪祭り TOPイメージ
  • 日付 準備・試楽等:1月12日から13日 本番:1月14日深夜から15日明け方まで
  • 時間 ◎1月12日 準備:午前9時ころから
    ◎1月13日
    お下り:午前6時ころ伊豆神社出発
    御神籤:11時半ころ
    試 楽:12時ころから
    お滝入:15時ころ
    面形化粧・競馬乗合せ 等:夕方から夜にかけて
    ◎1月14日 
    お上り:午後4時ころ諏訪神社出発
    松明立て:午後21時ころ
    ◎1月15日
    本 番:深夜0時ころに大松明に火が灯り、一番位の高い「幸法(さいほう)様」の舞がはじまります。明け方8時から9時ころまで祭りが行われ、様々な神様が登場します。
  • 場所 準備・試楽等:諏訪神社 本番:伊豆神社

伊豆神社

諏訪神社

  • 1月12日 ※時間はあくまで目安です。30分~1時間は前後することがあります。

    9:00 祭りの準備

    12日は諏訪神社に集まって、雪祭りで使用する小道具をみんなで作ります。まずは竹を取ってくるところからはじまります。
    また伊豆神社でも同じころ、大松明の骨組み作りや各集会所に集められた松飾りや門松を運んでくる作業が行われます。

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    祭りの準備
  • 1月13日 ※時間はあくまで目安です。30分~1時間は前後することがあります。

    6:00 お下り

    早朝まだ日が昇る前に伊豆神社に人が集まり、お下りの行列が朝日とともに出発します。地元の小中学生も行列に加わり、透き通った笛の音が里に響きます。

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    9:00 ビンザサラ舞、順(ズン)の舞、論舞(ロンマイ)

    お下りが諏訪神社に着くと、仮役でのビンザサラ舞・順(ズン)の舞、論舞(ロンマイ)が行われます。
    まだ御神籤(おみくじ)で役が決まる前なので、基本の舞を皆で舞います。

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    11:50 御神籤(おみくじ)

    「幸法(さいほう)」「茂登喜(もどき)」「競馬(きょうまん)」「八幡(はちまん)」など、希望する人が紙に名前を書き、それを丸めて紙玉にします。
     
    紙玉の上で禰宜(ねぎ)様が紙垂(しで)を振り、紙垂にくっついた紙玉に名前が書いている人に「役が決まった」といい、希望の神様を舞うことができます。

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    御神籤(おみくじ)

    12:30 試楽(しらく)

    役が決まったら、それぞれ自分の神様を舞います。正直切(しょうじっきり)や海道下り(かいどうくだり)などは宮司様や禰宜(ねぎ)様、上手(わで)の方が舞うと予め決まっている役もあります。
    また、「幸法(さいほう)」「茂登喜(もどき)」「競馬(きょうまん)」は試楽は行いません。
    「競馬」は13日の夜に乗合せがあり、そこで2人の競馬の息を合わせます。

    試楽(しらく)

    15:30 お滝入り

    諏訪神社から徒歩で数十分の民家横にある滝で舞を舞う方たちは身を清めます。
    幸法や茂登喜、競馬など位の高い神様を舞う方は、ふんどし一丁で冬の滝に打たれます。

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    お滝入り

    16:30 本役によるビンザサラ舞、順(ズン)の舞、論舞(ロンマイ)

    午前中にもあったビンザサラ舞、順(ズン)の舞、論舞(ロンマイ)ですが、今度は御神籤の後なので、本役によって舞が行われます。
    動画は競馬(きょうまん)二人による論舞です。

    19:00 面型化粧

    面型に化粧をしていっています。どの役の方が色をつけるか。面を持つかなど決まっています。色を出す粉をとく水は、お滝の水を汲んできて使っています。

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    19:30 競馬(きょうまん)乗り合わせ

    競馬は「一の馬」と「二の馬」があり、舞手二人と競馬の先導をする方と楽(がく)との呼吸を合わせる舞です。

    競馬(きょうまん)乗り合わせ
  • 1月14日 ※時間はあくまで目安です。30分~1時間は前後することがあります。

    16:00 お上り

    諏訪神社から伊豆神社へ、お上りの一行がゆっくりと進んでいきます。いよいよ祭りの本番会場へ向かっていきます。

    21:00 大松明立て

    地元の消防団の皆さんが協力して、大松明を持ち上げていきます。

    大松明立て
  • 1月15日 ※時間はあくまで目安です。30分~1時間は前後することがあります。

    0:30 ランジョー

    消防団の皆さんが「ランジョー」といいながら神様が控える建物を木でたたきます。

    1:20 大松明へ点灯

    大松明へ船を使い、火が灯されます。
    船が大松明まで着いたら、競馬の二人が梯子に登り、火をつけます。

    大松明へ点灯

    1:30 お庭開きと幸法(さいほう)

    松明に火が灯ると、賑やかに祭り本番が始まります。
    2020年1月の雪祭りでは、祭り本番まで雪が降らず心配されていましたが、大松明に火をつけるあたりで雪が降りだし、幸法様が舞われる際には綺麗な雪景色となっていました。
    お庭の真ん中あたりに達磨や門松の松葉など各家の正月飾りが集められており、幸法様は9回登場されるのですが、途中「餅あぶり」という儀式で火をつけます。「刀褒め」や「冠褒め」などを行っていますので、こちらも見どころの一つです。

    お庭開きと幸法(さいほう)

    3:30 茂登喜(もどき)

    幸法様が終わり、今度は茂登喜(もどき)が登場します。
    ヒョットコのようなすぼんだ口と吊り上がった目の剽軽なお顔の神様です。茂登喜は非常に幸法と似た舞をしますが、足の運びが逆回りだったり、少し粗野に振る舞って、周りも賑やかに突っ込みを入れる、そんな親近感のある神様です。
    茂登喜も「餅あぶり」があり、幸法と同じように「刀褒め」や「冠褒め」をします。

    4:30 競馬(きょうまん)とお牛様

    雪祭りの中でも特に華やかな神様です。競馬はお面がなく、馬に跨って舞を舞います。手綱と足の上下で本物の馬のように見えてきます。
    競馬の見どころは途中、弓を引くところです。競馬の射った矢を拾うと1年健康に過ごせるといわれています。また最後に激しく鈴を鳴らして去っていく様も見応えがあります。
    また競馬の後にお牛様が出てきます。お牛様は宮司様が行う役で、競馬を比べて動きがゆっくりで進んでは止まったり戻ったりして、応援したくなるような大変愛嬌のある神様です。お牛様も矢を射るので、競馬で矢を逃した方はここもチャンスです。

    5:30 翁(おきな)、松影(まつかげ)、正直切(しょうじっきり)

    競馬とお牛様が終わると、今度はおじいちゃんの神様たちが出てきます。
    翁(おきな)は「宝褒め」、松影(まつかげ)は「神様褒め」をしますが、正直切(しょうじっきり)はなんだか言葉遊びのようなやりとりを周りの旦那衆とします。
    この三方は、特に舞わず言葉が楽しい神様たちです。ただあくまで儀式なので大きな声を張り上げたりはしませんので気を付けて聞かないと何を言っているかわかりません。気を付けて聞いても言葉が難しく分からないことも多いですが、その何をしているか分からない感じが面白い神様たちです。

    6:30 海道下り(かいどうくだり)

    海道下り(かいどうくだり)は狂言に同じ名前の演目があり、そこから来たのではといわれています。息子と親父殿の軽快なやり取りと周りの旦那衆の茶々入れが楽しい神様です。

    7:00 神婆(かんば)

    空が白みはじめたころ、鮮やかな赤い衣装の神婆(かんば)が登場します。
    この役は小学生がやることが多く、後ろにいる「腰だき」とタイミングを合わせて軽快に舞います。

    7:30 天狗(てんごう)様 又は おにさま

    日が山の端を出て、林から朝日が差しこむ中で「おにさま」が登場します。
    体格のいいおにたちが、神社まで来て宮司様とある勝負をして帰っていく舞というかお芝居のような神様たちです。
    おにさまたちには太郎・次郎・三郎という名前があります。

    8:00 八幡(はちまん)と志津目(しずめ)

    八幡(はちまん)は鈴と団扇を持ち、駒を連れて舞います。
    志津目(しずめ)は獅子を連れて登場します。

    八幡(はちまん)と志津目(しずめ)

    8:30 鍛冶

    鍛冶(かじ)は親方と弟子の狂言です。盛んに言い合って周囲を楽しませてくれます。この親方と弟子の役は鍛冶が行われる直前にわら縄でできた「くじ」を引き、決まります。なので、ほとんど即興で舞われます。

    鍛冶

    8:30 田遊び

    最後は田遊び。大松明の前に稲わらや餅が太鼓の上に奉られ、豊年奉祝の行事が行われます。
    お祭りの後は、御供(ごふ)のお米が少しづつ配られます。

    田遊び

    9:00 祭りの終わり

    お祭りの後はおにさまたちがお祭りをすると言われているため、すぐには片付けず翌日16日に祭りの片づけが行われます。

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    祭りの終わり

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