南信州新野高原では、独特な形をした門松を飾ります。
しかも、この門松、どんどん形が変わっていくのです。
まず、12月26日 12月中旬に山にとりに行ってきた細いヒノキの皮を剥いたハングイ(稲架杭)を立て、
3段の松を左右に縛り付け、しめ縄を張って、やす(歳神様の食器)を取り付けます。
まずは、第一の形。これで大晦日、お年取り、元旦~十日正月(十日正月)の松納めまでの形です。
毎朝、歳神様にお雑煮などのお節料理を、家族が食べる前にお供えします。
元旦。大晦日から降り出した雪が積もりました。
1月10日は、十日正月。お雑煮を食べた後、門松の形を変えます。
3段の松の枝を外して根元を切って2本橋渡しにします。松の幹を割ったもの(若木:かわっき)を並べます。
中央に、白膠木(ぬるで)の木をきった俵3本ひもで縛って、飾ります。
外した松やしめ縄などは、雪祭りの大松明として地区内から集められます。13日雪祭りのお下りが通ったら、若木に「十二月」と墨と筆で書きます。
15日の朝は小正月です。雪祭りに出る人がいる我が家では、雪祭りが終わるまで四つ足の動物(牛肉、豚肉、馬肉など鶏肉は食べません。鶏肉はOKです。
1月20日は、二十日正月。朝、お雑煮を食べます。若木がはずされ、しめ縄とハングイ(稲架杭)だけになります。
2月1日の朝、しめ縄を外し、ハングイ(稲架杭)をその日の吉方へ倒します。
これで、1ヶ月半にわたるお正月行事の全てが終わります。新野のお正月は、門松の形を目印に、1ヶ月続きます。
※これは、わが家のやり方で、新野の中でも家々によって多少方法が変わる場合があります。
※十日正月後の、門松で、やすを外すのが一般的です。この日、外し忘れて後日、取り外しました。