TOPIC 新野の盆踊り

阿南町新野の盆踊りとは、約500年前から続く国の重要無形民俗文化財に指定されている祭りです。
特徴は「1,夜の21時から朝の6時まで3日間、踊り続ける徹夜踊り」「2,笛や太鼓などの鳴り物を使わず肉声だけで踊る」「3,神仏混合の祭り」「4,昔の生活感が残る祭り」「5,参加しやすい」

  • 日付 本盆:8月14日・15日・16日 (うら盆:8月第4土曜日)
  • 時間 午後9時~翌朝6時
  • 場所 阿南町新野 本町通り

新野高原 盆踊り会場

徹夜踊りというと岐阜県の郡上八幡「郡上踊り」や富山県八尾町の「おわら風の盆」などが有名です。祭りによって徹夜の長さは様々ですが夜通し連日踊る祭りが「徹夜踊り」と呼ばれています。
その中でも新野の盆踊りは、観光客に合わせた日程調整は行わず昔ながらの日付で仏様を送る儀式としての盆踊りを残しているため、昔の形を継承している全国でも珍しい祭りです。
民俗学者柳田國男先生からも新野の盆踊りは「盆踊りの原型」を残した祭りと評されています。

8月14日の夜21時から17日の朝6時までの3日間、昼夜を逆転させて踊り続けます。盆踊りにどっぷり参加すると時差ボケが起こることもあります。

鳴り物なしの肉声のみ

ほとんどの盆踊りは、笛や太鼓などの鳴り物やCDなどの音源を使います。けれど、新野の本どりは肉声だけで夜9時から朝6時までを3日間踊り続けます。
夜9時から12時までの3時間は地元の中学生が子ども音頭取りとなり、大人と一緒に櫓(やぐら)に上がります。祭りの継承者育成の意味もあり、歌詞となる都々逸の書かれた紙を足元に置いて、決められた歌詞の順番で唄を出していきます。

深夜12時を過ぎると大人の時間となり、「皮切り」と呼ばれる櫓に登る音頭取りの一人がアドリブで唄を出していき、他の櫓の音頭取りが皮切りに続きます。
深夜12時以降は唄の順番が決まっていないため、雨が降ってきたら雨の唄、櫓を囲む「踊り子」の元気がなくなってきたら勢いのいい唄など調整しながら、時には色っぽい唄もこの時間には出てきます。

神仏習合の祭り

新野の盆踊りには、昨年のお盆から今年のお盆までの間に亡くなった方(新盆)の魂を送る儀式と、踊り神様を送る儀式が一緒になっています。
盆踊りの最終日(16日)には、各新盆のおうちの方が切子灯篭を持ってきて、音頭取りが櫓に飾ります。そして、17日の朝には切子灯篭を子どもたちが担いで踊り神送りの行列に加わり、祭りのラストには仏様と踊り神様を一緒に送るという流れで祭りが進んでいきます。

生活感の残る祭り

新野は元々、関西や愛知の方から新潟へぬける行商人に利用された宿場町でした。そのため、新野の盆踊りの起源は、一説によると新野のお寺(瑞光院)が建立した際に、開山祝いに下田の人たちが来て庭の広庭で踊ってくれたと言われています。
盆踊りで踊られる「おさま甚句」でも「おさま甚句はどこからはよた 三州振草下田(現在の愛知県東栄町)から」という歌詞があります。
盆踊りの歌詞には尾張や伊勢、能登など様々な地名が出てくることから、行き来の多い場所だったことや、様々な地域の唄が使われていることがうかがえます。
また、時代時代によって唄が足されているため「馬くろさ」という馬の口の紐をひく職業が歌詞によく出てきたり、「汽車」が出てきたり、唄に耳をすましていただくと色んな時代の様子が垣間見えます。

参加しやすい踊り

現代の祭りは、参加は地元の方のみで観光客は観覧のみというものも多いですが、新野の盆踊りは気軽に参加いただけます。3晩連日何時間も踊るため、とてもシンプルでゆったりとした踊りで初めての方でも参加しやすい祭りです。
また夜9時からの盆踊り本番前に踊り方や祭りの概要を知れるワークショップを行っています。より盆踊りを楽しみたいという方は是非、盆踊りワークショップをのぞいてみてください。

 

【 Yahoo Japan CREATORS に投稿されました。
 ショートフィルム

500年続いた盆踊りがコロナ禍で中止 「伝統」いかに引き継ぐか、奮闘する住民【#コロナとどう暮らす】

太田信吾

映画監督・俳優・演出家

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