お盆の8月13日~16日の夕方は、各家の前でお盆の「迎え火」を焚きます。13日はお迎えする日なので分かりますが、家にいる14日、15日と帰った後の16日にも焚くのはなぜでしょうか。謎です。
松明は、お盆の前に各家に注文票が回覧板で周り、販売されています。松の小枝にアカシの木の細枝が入っていて、燃えやすくなっています。
今年もコロナの感染が広がり、残念ながら「新野の盆踊り」は神事のみとなり、盆踊りは中止となってしまいました。しかし、音頭取りの技術は、毎年継続していかないと、衰えてしまいます。
そこで、8月14日、15日の2晩、感染リスクがなく家から参加できるオンライン形式でできないか考えてみました。昨年からオンラインでの会議が多くなり、離れていても時間を共有したり、コミュニケーションがとれることを体験していたので、案外うまく行くのではと思いました。
Google meetを使って、イベントを立てて参加を募りました。すると、新野の方、新野以外の日本中の方、さらにドイツやペルーからも参加があり、グローバルな「オンライン新野の盆踊り」となりました。14日、15日の二日間で延べ50人程度の方の参加を頂きました。
最初は、踊りの説明や盆踊りの由来などをお話しし、参加者の方々との語らいから始まりました。これもオンラインならではの良い所。実際の盆踊りでは、私たち音頭取りは櫓の上なので、踊り子の皆さんとゆっくり話すことは難しいですね。
恒例の「すくいさ」から始まり、音頭を私たち二人が出して、リモートで参加している歌を返せる方1名が返しをしました。やはり音ズレがあるので、同時にみんなで返すのは難しかったです。この辺を技術的に改善していただけるアプリなど開発が待たれるところです。
オンライン新野の盆踊りは、8時~24時まで行われました。全6曲を2回程度踊ることができました。参加者の皆さんからは、「意外と楽しめてありがたかった。」「家にいてリアルタイムで新野とつながることができて、遠くからでも新野の盆踊りに参加しているようで、とっても楽しかった。」「BGMとして流しておいたら、盆の輪から抜けて、ベンチで座っているような気がしました。」「中止と聞いて悲しかったけれど、リモートでもやっていただき、楽しかったです。」などの感想が寄せられました。
8月15日の深夜24時に、各家の仏様を送ります。仏様は、あの世から家に戻るときは足の速いキュウリの馬に乗ってきて、あの世に帰るときは足の遅いナスの牛に乗って帰られます。あの世までの道中、お腹がすかないように畑で取れた野菜やお米をお供えして、一緒に送ります。
近所の小川のほとりに、家ごとに決まった「仏様送り」の場所があり、15日から16日に日付が変わるときに合わせて、盆ござに牛、馬、野菜、お花、無縁仏様をくるんでもって行き、松明を焚いて、線香に火をつけて、「ナンマイダー ナンマイダー ナンマイダーブツ ナンマイダー・・・」と鉦を鳴らしながらお経を唱えます。 3×3で9回唱えます。仏様、来年もまた来てくださいねと心で念じながら。
(この写真は令和2年8月15日のものです。)