県は16日、新型コロナウイルスの感染状況を6段階で示す県独自の感染警戒レベルを、県内全域で最も低い「1」(感染者の発生が落ち着いている状態)へ引き下げた。県内全域が「1」となるのは昨年11月3日以来、約3カ月半ぶり。年末年始を機に県内で急拡大した感染の「第3波」は収束しつつある。ただ、政府が東京など10都府県の緊急事態宣言を継続しているため、県は感染防止への注意を引き続き呼び掛けている。
県内では1月上中旬がピークだった第3波で、県は感染者が集中した小諸市や松本市、飯田市、北安曇郡白馬村など7市町村のレベルを一時、「5」(感染が顕著に拡大している状態)に上げた。1月14日には、感染者の受け入れに伴う県内医療機関の負担の重さを3段階で示す「医療アラート」で、最も重い「医療非常事態宣言」を出した。
2月に入って感染者の減少は鮮明になり、県は12日に全県のレベルを「2」(感染が確認されており、注意が必要な状態)に引き下げた。15日まで1週間の新規感染者数は9人で、10万人当たり0・44人まで減少。レベル「2」の基準の同1・0人を下回った。県が感染者向けに確保可能とする434病床の「実質的な病床使用率」は同日午後8時時点で9・4%となり、昨年12月に公表を始めて以降、初めて10%を切った。
県は県民や事業者に対し、緊急事態宣言の対象10都府県との往来を引き続き控えるよう要請。会食時の感染への注意、基本的な感染対策の徹底も続けるよう求めている。