自分の手でゼロから物を創り出すこと。
こんな楽しいことはない。田舎暮らしの薪小屋作りの一日をレポート。
自己流で、その場で考えながらやったので、もっと良いやり方があるとは思いますが、結果オーライのやり方です。作り方を詳しくレポートします。
以前から薪小屋が不足していて何とかしたいと思っていたのです。薪を自立型の積み上げをしていたのですが、これが崩れやすいし、積むのも神経を使います。やっぱり、薪小屋が欲しい。考えていると・・・
土曜日。ひらめいた。頭の中で完成図ができる。
日曜日。午前8:00
① 礎石を置く。自然の石を平らな面が上に向くように、スコップで軽く掘って調節。計8個。
② 長さ80cmのお正月の門松に使った「若木(わかっき)」を礎石の上に置いて、その上に間伐材(6m)を3本置く。ここで長さが決定される。スペース的にちょうどよい。あるものをできるだけ切断せずに使うと、効率が良い。
③ さらにその上に、ベニヤ板を置き、釘打ちして、床パネルができる。
④ ここで水平器で水平を調整する。一度、ひっくり返して礎石の高さを調整。
午前9時
⑤ 柱の土に埋める部分に、クレオトップを塗る。防腐剤で、クレオソートと同等の効果があるが、クレオソートと比べてにおいが弱いのがよい。たっぷり吸わせる。刷毛で塗りこむ。
⑥ 乾燥させている間に、柱を立てる穴を、スコップで掘る。50cmの深さ。これを計算に入れて、地面からの柱の長さに50cm足しておく。2m30cm。木材用の印が赤線で見える。
地面は掘っていくと、岩盤に当たる。もし、50cm掘れなくても、固い層まで掘れればOK。実際、45cmくらいで止まってしまった柱もあった。暑い中の穴掘り作業は、かなりつらい。一つ掘ったら、10時のお茶の時間となる。
水分補給だ。写真からお分かりでしょうか。上から作土、山砂、花崗岩の石を多く含む岩盤層。
午前11:00
⑦ 作業再開。柱の垂直を水平器で2方向からチェックし、土を少しずつ入れていく。入れては丸太で突き固め、また入れては、突き固め。これを繰り返して柱を立てる。何度も垂直をチェックし、修正しながら慎重に行う。
床板を基準に場所を決める。幅90cm。長さ6m。
⑧ なんとか4本の柱が垂直に立つ。床も礎石の上に、水平にできる。
ここで、午後12:30 昼食となる。
(焼うどんを食べる。昼休みにシロツメクサの写真を撮り、大きな栗の木の下で昼寝 30分。休み休みやらないと熱中症になりそうだ。腰や肩が痛いから休憩も大事だ。)
14:00 作業開始
⑨ 梁を上げる段階で、問題発生。なんと6mの長さの丸太がない。4m50cmくらい。そこで、継ぎ足すことを思いつく。普通、半分に割って、ボルトで締めて固定するがボルトがない。そこで、番線で締める事を思いつく。あるもので何とかするのが、田舎暮らしの醍醐味。
チェーンソーで割ってから、番線をシノで締めていく。何回か締めすぎて切れてしまった。なまし番線の締め具合は慣れないと締めすぎて切れる。失敗するうちに締め具合が分かってきた。1本の長い梁ができた。
⑩ 柱の長さ(高さ)を慎重に決める。写真左側の小さい薪小屋の屋根の延長線上に、今回の屋根を作る。
こうすることで、今後連結して大きくし、雨を小屋の間に落ちなくできる。小屋の間も機械の収納等に利用できる。
高い方の柱と小さい小屋の屋根に水糸を張り、傾斜を決めた。まずは、左右、地面から同じ高さにする。
次に、その高さが垂木を載せる面になるように、梁の太さ分だけ短くする。これは、左右で違う。間伐材を使っているので、自然の材料の太さに合わせるのがコツ。
⑪ 脚立に乗って、チェーンソーで梁の形に合わせてU字型に切断。チェーンソーは顔より下で使用しないと危険だ。
仮載せして、水平器でチェックする。修正なしでした。
⑫ 梁を一人で揚げることは難しい。細い方をまずあげてから、太い方を上げた。釘を打ってとりあえずOK。後日、筋交い、パネル等で補強が必要だ。
⑬ 接合部分に、補強の柱で支える。少し長くしておいてチェーンソーで削りながら合わせる。梁が水平になるように調整する。この柱は床の上に立て、釘で固定。
ここで午後3:00 お茶の時間。しばし休憩。ちょっと夕暮れまでに間に合うか心配だ。
午後3:30
⑭ 梁に垂木を並べてみる。算数の植木算が生きる。「16本あるから、間は15個」6m÷15=
垂木は、通常、角材を使うが、強度があれば問題ない。ログハウスの建設当時の端材がたくさんあったので利用する。
⑮ 端から垂木を打ち付ける。メジャーで測りながら、端から釘を打っていく。手に豆ができそうだ。左右は50cm張り出す。間隔は40cmを基本としたが、間伐材の節や凸凹があるので、適当にずらして釘打ち。強度を出すために1個所に2本打ち。
⑯ ラス板を貼る。よい板が無い。かなり痛んでいたが、何とかなりそう。釘1kg全部打ち切る。
午後5:00 夕暮れが近づいてきた。間に合うか? 手が慣れてきて、作業スピードが上がる。形が見えてくると、気持ちも上がる。
夕暮れの入道雲が美しい。ラストスパート。
⑰ 古い波トタンを貼る。出来上がり。端がずれないようにすることがポイント。重ねは2山。重ねた部分とその間に一か所、カサ釘で波トタンを打つ。上側の軒を基準にして打つ。始まりが大切。ずれるとみっともないので。前回の失敗から学んだこと。・・・なんとか完成。波トタン用のカサ釘もぴったり打ち切りました。
⑱ 下に飛び出した釘の頭を、ゲンノウでたたいて曲げておく。危険防止。やった~。完成。
写真から、梁の太さに合わせて右側の柱が少し、短いのが分かるでしょうか。結果的に、屋根のトタンが水平になることが大事。
⑲ 午後7時 完成 お疲れ様でした。 ぎりぎり間に合いました。この時期、日が長くて助かった。
後日、筋交いと壁を入れて補強します。また、柱、床を塗装します。トタンは、さび止めを塗ってから、ペンキを塗装します。
充実の日曜日でした。もし、薪小屋を間伐材や廃材を使ってゼロ予算で作りたい方。ご参考までに。