櫓(やぐら)の周りに飾られた切子灯籠は、この1年間に亡くなられた(新盆の)家庭から16日の夜に持ち込まれたものです。
17日の明け方、櫓に並べられていた切子灯籠は降ろされて、行列の出発を待ちます。
この時間帯には、踊りは力強く勇壮な「能登」に変わります。
切子灯籠の行列はお太子樣で神事を行うため移動します。
神事を終えて櫓まで戻ってきた行列。踊りを続けたい踊り手は踊りをやめません。
この行列が通り過ぎると盆踊りを終わりにしなければならないからです。
踊り手たちは、切子灯籠の行列の行く手を阻むかのように円陣を組んで、「能登」を踊り続けます。
行列が瑞光院の近くの広場に到着し、灯籠が積み重ねられ、御嶽行者が呪文を唱え、灯籠に火を着けます。
火が着けられると参加者は「秋唄」を歌いながら帰宅の途につきます。その際、決して後ろを振り返ってはいけないと言われています。振り返ると踊り神様に取り憑かれて一年中、踊り続けることになるそうです。
14日の夜から始まった「新野の盆踊り」は3日3晩を踊り明かしたのち、静かに幕を閉じます。